雨雲連れのおぼえ書き

忘れっぽい人の記録帳

7月の読みもの

7月中に読み散らかしたテキストの備忘録です(覚えている分だけ)。

ウクライナ 通貨誕生(西谷公明、岩波書店

ウクライナルーブル経済圏を脱する過程のレポートです。面白かったし、今の戦争の背景も知ることができました。知識ゼロで読んだのですが、経済の知識がもう少しあったらもっと面白かったんだろうな。勉強しようかな。

死の貝(小林照幸新潮文庫

日本住血吸虫の発見から終息まで。日本住血吸虫、怖い…溝にびっしりのミヤイリガイが夢に出てきました。でも、感染ルートの同定とかは読んでいてわくわくしました。あとは、感染の仕組みが分かっても対策を取るのは全く別の問題だということとか、公衆衛生は皆が協力して初めて成り立つということとか、ここ最近のコロナ問題に重なるものがあるなぁ、とちょっと感慨深かったです。ちなみに一番心に残ったエピソードは、「貴重資料を借りっぱなしにしていたら放火されて燃えちゃった」ですね。ものは借りたらすぐ返そうと思いました。

リリス(ジョージマクドナルド、妖精文庫)

「北風のうしろの国」の流れから。ざ・幻想小説、ですね。京極堂シリーズの関口さんの小説ってこんな感じなんだろうか。嫉妬から神に背き、冷酷な女王として君臨するリリスが救われる物語です。ですが、神から与えられたものを捨てて自分で自分自身をイメージし、「わたくしはわたくしのなりたいものになります」と宣言するリリスがかっこいいと思ってしまうのは、私がキリスト者でないから?それとも現代に生きているから?流れる水の描写と夜空の月の描写が美しかったです。

陰陽師と天狗眼1~3(歌峰由子、ことのは文庫)

公務員陰陽師とチンピラ系山伏のバディものです。たまたま手にとって読み始めたらめちゃくちゃ好みでした。キャラクターとあらすじだけ消費するつもりだったのに、細かい描写とかが結構ツボで...深夜の縁側の冷たいざらりとした感触とか、居酒屋さんのちょっと赤っぽい照明を受けながら鉄板の上で焼かれる肉の脂の輝きとか、優しい訛りのある口調とか、そういうものがすんなりと感じられてよかったです。情景が思い描きやすい、台詞がすんなり入ってくる作家さんは貴重である。疲れて本が読みたくない時に読む本の一冊になりました。

レンタルマギカ1~10(三田誠角川スニーカー文庫)

こちらもライトノベル。高校の頃に途中まで読んでいたはずなのに、どこまで読んだか全く思い出せないので初めから読みました。話の筋を覚えていなかったことがわかったので、初めから読んで正解でしたね。。特殊能力持ちの高校生が魔法使いの派遣会社の社長として頑張る話です(今のところ)。しかし、布留部市の竜は生贄にされかけたり吸血鬼に食べられそうになったり大変だな。竜なのに。