雨雲連れのおぼえ書き

忘れっぽい人の記録帳

四月の読みもの

2025年4月中に読み散らかしたテキストの備忘録です(覚えている分だけ)。

冬虫夏草 梨木香歩 新潮文庫

「家守綺譚」の続編。ゴローさんを探して湖東の山々を巡る綿貫さん。秋の山里の描写が美しいです。いつか行ってみたいなと思いながら読んでいたのですが、巨大な河桁、のくだりでようやく、この舞台がダム底に沈んだ土地であることに気付きました。私たちの生活に必要なのはわかっているけれど、このちりちりとした痛みはなんだろう。

身近な野菜のなるほど観察録 稲垣栄祥/三上修 ちくま文庫

野菜の、植物としての面に注目したコラム集(?)。さらっと楽しく読めて良い。キャベツとブロッコリーとカリフラワーは属どころか種までおなじ、落花生が土に潜るのは洪水を見越した種子頒布戦略、などなど。なによりも、読むと野菜をじっくり眺めたくなりますね。大根の上側は茎の一部(胚軸)で下側が根、下にしかひげ根はないでしょう?なんて言われたら、えっそうなの?あっほんまや!!!ってなりません?(私はなった)。レタスの花とカリフラワーの花、いつか見てみたいな。

細胞とはなんだろう 「生命が宿る最小単位」のからくり 武村政春 ブルーバックス

ウイルスの専門家による細胞入門。細胞入門というか細胞小器官入門?細胞構造入門?と言った方がいいのかもしれないです。膜の謎を追う、というのがテーマなのかもしれないです。細胞には色々な捉え方があると思いますが、ウイルス視点だと新鮮で面白いですね。