その1ってことはそのうちその2もしなきゃね。
恥ずかしながら、つい3ヶ月前まで化粧と無縁の生活でした。
ちょっとしたきっかけで、お化粧し始めた次第。
はまるとどハマりするタイプなので(凝り性)、
とりあえず、初めにいろいろと揃えたかったのですよ。
特に色物。
しかも、できたら誰かに選んでほしいという。
しかしながら、資金は限られています。
口紅は、唇にかなり赤味があるタイプなのでとりあえずリップクリームでok。
(色付きリップクリームはかろうじて使っていた、というのもあります)
ハイライトは今度でいいや。
チーク、まようけど、割とほおに赤味がさしやすいタイプなので、これもまた今度。
というわけでアイシャドウに狙いを定めます。
パレットは多分使わない。
じゃあ、シングルでいい色を買おう!
どうせなら、はじめだし、そこそこいいのが欲しい。
ドラッグストアで買うのもいいけど、やっぱりデパートに行ってみたい!
選択肢は多いほうがいいかな。
できれば、色鉛筆みたいに、ずらっと色が並んでいてほしい。
シングルアイシャドウ、デパコス、いろんな色、ときたら、
あそこしかありませんね。
アディクションです。
というわけで、行ってきました。デパートのコスメカウンター。
人生初です。(人生ほぼ初コスメがデパコスってどうなんだ)
休日、昼下がりのデパート。
化粧品売り場は、香水だけは嗅ぎに行くのですが、
コスメは初めてなのでやや緊張しました。
ホリディシーズンだからか、雰囲気が華やか。
どきどきしながらカウンターに近づきます。
大混雑です。一人でじっと説明を読んでおられる方、口紅の色を手にとって試されている方、カップルでアイシャドウを選んでいる方。大荷物の方も多いから、旅行客も多いのかしら。みなさん目がきらきらしておられます。
やや場違い感があり、
人ごみをかいくぐって、おそるおそるカウンター近くの綺麗なお姉さんに声をかけます。
「あの、アイシャドウ探しているんです」
「あ、ただいま混雑しておりまして、番号札お取りくださいませ」
「はい.....」
郵便局か銀行みたいな番号札を渡されました。
うろうろしていると、アイシャドウの売り場が目に入りました。
音に聞く99色。
ネットでざっと調べただけでしたので、現物をその時に初めて見ましたが、
色鉛筆どころか刺繍糸のような品揃えでした。
とりあえず、目星をここでつけます。
今回私が欲しかったのは、普段使いできる色です。
パレットを見渡すと、ブラウンもしくはグレー系統が目に付きます。
ベージュっぽい色もいいのですが、そうした白っぽい色は
おそらく眠そうな私の目がよけいに眠く見えそうなので今回はパス。
そうこうしているうちに、私の番号が呼ばれました。
色白で黒髪ポニーテール、赤い口紅、はっきりしたアイメイクの私よりやや若いであろうお姉さんでした。黒の制服が似合っていてすてきです。
「お待たせいたしました、何かお探しでしょうか?」
「あの、アイシャドウ選んでいただきたいのです」
かくかくしかじかまるまるうまうま、と説明し、
普段使いできる、ブラウンないしグレーのアイシャドウを探していることを伝えました。
お姉さんはちょっと考え込んで、ほどなく、
「そうですねー、普段から使えるもので、お客様ですと、こちらはどうでしょう」
4つほどを巨大パレットから手に取りました。
21 love affair ゴールドパール輝くピンクローズ
39 yesterday ピンクの輝きを放つ淡いラベンダーグレー
68 nostalgia 濡れたようにパールが煌くウェットブラウン
69 flash back なめらかにつやめくグレイッシュブラウン
どれもこれも素敵な色です。
(この記事を書くにあたって、改めて色説明を見直しましたが、
詩的でよいですね。ネーミングも素敵!)
じっと見てもわからないので、それぞれまぶたにのせてもらうことにしました。
まずは右目に21 love affair。
何もない左目に比べて、のせた瞬間に目が1.2倍ぐらい大きくなったように見えます。恐るべしアイシャドウ効果。
21番の色味はややピンク色のかった明るい茶色。きらきらしていて綺麗です。
「じゃあ、左目に68番をのせますね」
のせていただき、顔の右半分を隠して鏡を覗きます。
左目は1.5倍ほど大きくなって見えました。色はややグレーのかったブラウン系ですが、あまり色そのものはつかなかったです。それでも深みが増して目が大きく見えていました(どういう効果なんだろう)。
こころなしか瞳も潤んで目元だけ美人です。毎週木曜日、午後三時にカフェの窓辺の席で決まって本を読んでいるお姉さんといった感じ(どんなだ)。
ここで右目と見比べます。
右目(21番)は左目に比べて眠そう、というのが第一印象。
悪くはないんだけど、、という感じ。
それをお姉さんに伝え、右目を別の色に変えていただきました。
「右目、69番ですね」
69番はぱっと見はブラウンでしたが、なぜか私のまぶたの上では濃いグレーになりました。ハリウッド映画に出てくる、冷静で銃の扱いに長けた二重スパイのような目元です。左目はややミステリアスな知的美女、右目は女スパイ。
お姉さんをちょっと見やると、お姉さんも、ですよね、という顔をしました。
「右目変えましょう、39番です」
39番はまぶたの上で紫にグレーの輝きを足したような色になりました。グレーといっても69のような濃い色ではなく、あくまで明るいグレー。目元はやや澄んで見えます。顔の右半分だけ美少女の気分です。かすみ草の花束や細かい千鳥格子のワンピースを想起させるような、可憐な色。なぜか肌も白く見えます。
「39、いいですね、可愛らしいです」
可愛いって歳じゃないんですけど。
「お姉さんの見立ては39番ですか?」
「うーん、普段使いなさるなら68番かな、39もいいんですけど」
ごもっとも。美女も美少女も柄じゃないけれど、年相応の格好するなら68。
「21と69よりは39か68ですよね」
「そうですね、39と68は迷いますね」
ちょっとここで迷います。39、可愛いのですが、なんせ可憐。たまにならいいけれど、普段使いにはやや気が引けます。68は馴染みがよく、落ち着くのですが、39のような色による効果はやや弱く、顔全体までは影響しません。
散々迷ったあげく、68を購入することにしました。
「でしたら、両目とも同じお色にいたしますね」
右半分の少女が消え去り、ミステリアス美女(目元だけ)が現れました。
うん、悪くない悪くない。むしろすごく良い。
でも39番は今度買いにこよう。
支払いをし、黒い紙袋に小さなパッケージとファンデーションのサンプルを入れていただきました。お姉さんに見送られてデパートの外に出ます。
誰もいないところで、そっと手鏡で目元を見ます。
手鏡の中でも、目元だけ美人がこちらを見ていました。
その目元に見合うような美人になりたいと、心から思いました。
今回の教訓。
・デパコスカウンターは怖くない。むしろ楽しい。
・色味は実際に使わないとわからない。
・いい色は心もぴしっとさせてくれる。
その後、68 nostalgiaはほぼ毎日私のまぶたの上で輝いてくれています。
何度見ても良い色ですね。ありがとうアディクションのお姉さん。